「腰が痛いのは、もしかしてこの椅子のせい……?」
在宅勤務が始まったとき、「とりあえず」で食卓の椅子やリビングのソファで仕事を始めた人、多いんじゃないでしょうか。最初は「まあ、しばらくだけだし」と思っていたのに、気づけばもう何年もその椅子。腰は痛いし、お尻は痺れるし、夕方には体がバキバキ。
実は、在宅勤務の体の不調の原因、かなりの割合が「椅子」にあるんです。
「でも椅子って高いし……」と思った方、安心してください。高い椅子を買わなくても、今の椅子の座り方を変えるだけでラクになる方法もあります。この記事では、椅子選びのポイントから正しい座り方、予算別の考え方まで、まるっとお伝えしますね。
在宅勤務の体の不調は椅子が原因かも
「肩こり」「腰痛」「お尻の痛み」「太ももの裏のしびれ」——在宅勤務をしている人がよく訴えるこれらの不調、共通点は「座っている時間が長い」こと。
オフィスのワークチェアは、長時間座ることを前提に設計されています。座面の素材、背もたれの角度、高さの調整機構……すべてが「8時間座っても体に負担が少ない」ように考えられているんです。
一方、ダイニングチェアやパイプ椅子は、食事やちょっとした作業用。1〜2時間座る分には問題ないけど、毎日8時間となるとさすがに体が悲鳴を上げます。
もし今、「体が痛いのは仕方ない」と諦めているなら、一度椅子を疑ってみてください。椅子を変える(または座り方を変える)だけで、劇的にラクになることがありますよ。
椅子選びの5つのチェックポイント
「よし、椅子を買い替えよう!」と思ったとき、何を基準に選べばいいのか。見た目や値段だけで選ぶと失敗しがちなので、この5つのポイントをチェックしてみてくださいね。
① 座面の高さ調整
これが一番大事と言ってもいいくらい。座ったときに「足の裏が床にぴったりつく」「ひざが90度くらいに曲がる」状態が理想です。
身長によって最適な座面の高さは違うので、高さ調整ができる椅子は必須。調整幅が広いほど、いろんな姿勢に対応できます。
チェック方法: 靴を脱いだ状態で座って、足の裏全体が床につくか確認。つま先しか届かない場合は座面が高すぎ、ひざが鋭角になる場合は低すぎです。
② 背もたれ
背もたれは「腰のカーブをサポートしてくれるかどうか」が最重要ポイント。人間の背骨は自然にS字カーブを描いていて、特に腰のあたり(腰椎)の前カーブをサポートしてくれる背もたれがあると、長時間座っても腰が疲れにくいんです。
理想は、腰のあたりにちょうどいいふくらみ(ランバーサポート)がある椅子。ランバーサポートの高さが調整できるとさらにいいですね。体格に合わせてフィットさせられます。
背もたれの高さは、できれば肩甲骨のあたりまであるハイバックタイプがおすすめ。背中全体を預けられるので、リラックスした姿勢も取りやすいです。
③ アームレスト(ひじ掛け)
「ひじ掛けなんてなくてもいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、実はけっこう重要。キーボードを打つとき、腕の重さを肩で支え続けると肩こりの原因になるんです。ひじ掛けに腕を乗せることで、肩の負担がグッと減ります。
理想は、高さ調整ができるアームレスト。ひじを置いたときに、肩が上がらず・下がらず、自然な位置に来る高さが正解です。
ただし、机の高さとの兼ね合いもあるので注意。アームレストが高すぎて机の下に入らない……なんてことにならないよう、購入前に机の高さも測っておいてくださいね。
④ キャスター
床材に合ったキャスターを選ぶのも意外と大事なポイント。
- フローリング: ソフトキャスター(ゴム製)が床を傷つけにくい
- カーペット: ハードキャスター(ナイロン製)のほうがスムーズに動く
- 畳: キャスターなし、または椅子マットを敷く
フローリングにハードキャスターの椅子を置くと、傷だらけになることも。チェアマットを敷くのが安全策です。
⑤ クッション(座面の素材)
長時間座るなら、座面のクッション性はとっても大事。硬すぎるとお尻が痛くなるし、柔らかすぎると体が沈み込んで姿勢が崩れます。
メッシュ素材: 通気性がよくて蒸れにくい。夏場はありがたい。ただしクッション性はやや控えめ。 ウレタンクッション: 適度な弾力があって、お尻を包み込む感じ。冬場はメッシュより温かい。 モールドウレタン: 型に流し込んで成型したウレタン。へたりにくく、長持ちするのが特徴。
座り心地は好みもあるので、できれば実店舗で試座するのがベスト。ネットで買う場合は、返品・交換ができるショップを選ぶと安心です。
今の椅子でもできる正しい座り方
「新しい椅子を買う余裕がない」「まだ椅子を決めきれない」——そんな方でも大丈夫。今の椅子でも、座り方を変えるだけで体への負担はかなり減ります。
骨盤の角度を意識する
正しい座り方の基本は「骨盤を立てる」こと。お尻の一番下にある「坐骨(ざこつ)」という骨で座面に座るイメージです。
骨盤が立っている状態: 背筋が自然に伸びて、S字カーブがキープされる。腰への負担が少ない。 骨盤が後ろに倒れた状態: 背中が丸まった「猫背」。腰に大きな負担がかかる。
試してみてください。椅子に深く座って、お尻を背もたれにつける。そこからちょっとだけ骨盤を前に傾けて、坐骨で座面を感じる。「あ、ここだ」という位置が見つかるはずです。
最初は「なんか不自然」と感じるかもしれないけど、それは猫背に慣れてしまっているだけ。1日のうち「気づいたときだけ」骨盤を立てる、くらいの意識で大丈夫ですよ。
足の位置
足の裏全体が床につくのが理想。もし椅子が高くて足が届かない場合は、足置き(フットレスト)を使いましょう。厚めの本や段ボール箱でも代用できます。
足が床についていないと、太ももの裏が座面の縁で圧迫されて、しびれやだるさの原因に。足の位置はたかが足、されど足、なんです。
ひざの角度は90度か、少し大きいくらいが理想。足を組むのは……正直、ゼロにするのは難しいですよね(笑)。でもなるべく「長時間組みっぱなし」は避けてくださいね。
モニターの高さ
椅子の座り方と一緒に見直したいのがモニターの高さ。画面の上端が目の高さと同じか、少し下になるのが理想です。
ノートPCだと画面が低すぎるので、ノートPCスタンドか、本を重ねた台に乗せて、外付けキーボード+マウスを使うのがおすすめ。これだけで首への負担が劇的に変わります。
キーボードの位置
キーボードは、ひじを90度に曲げたとき自然に手が届く高さに。ひじが体の横につく感じで、肩が上がらない位置が正解です。
キーボードが高すぎると肩が上がって肩こりの原因に。低すぎると前かがみになって腰に負担がかかります。
予算別おすすめの選び方
「で、結局いくらくらいの椅子を買えばいいの?」という声が聞こえてきそうなので、予算別の考え方をお伝えしますね。(特定のメーカーや商品名は出しませんが、選び方のヒントとして参考にしてください。)
〜1万円:「今の椅子を改善する」アプローチ
正直に言うと、1万円以下のワークチェアで長時間デスクワークに耐えられるものを見つけるのは難しいです。でも、諦めなくて大丈夫。
おすすめの方法:
- 低反発クッション(2,000〜4,000円): 今の椅子の座面に敷くだけで、お尻の痛みがかなりマシに
- ランバーサポートクッション(1,500〜3,000円): 背もたれに置くだけで、腰のサポートが一気に改善
- フットレスト(1,000〜3,000円): 足の位置を調整して、太ももの圧迫を軽減
この3つを組み合わせるだけで、食卓の椅子がそこそこのワークチェアに変身します。まずはここから試して、「やっぱりちゃんとした椅子がほしい」と思ったらステップアップするのもアリですね。
1〜3万円:「コスパ重視」のワークチェア
この価格帯になると、基本的な機能が揃ったワークチェアが選べます。
この価格帯で重視すべきポイント:
- 座面の高さ調整は必須
- 背もたれにランバーサポート(腰のふくらみ)がついているか
- ひじ掛けがあるか(高さ調整できるとなおよし)
- メッシュかクッションか、好みに合う座面素材か
ネットで「ワークチェア レビュー」と検索すると、この価格帯の比較記事がたくさん見つかります。レビューを参考にしつつ、できれば実店舗で試座するのがベストです。
家具量販店やホームセンターに展示品が置いてあることも多いので、「座り心地を試す→型番をメモ→ネットで安いところを探す」という賢い買い方もあります。
3万円〜:「投資」としてのワークチェア
毎日8時間、年間250日以上座る椅子。そう考えると、3万円以上の椅子は「高い買い物」ではなく「体への投資」です。
この価格帯の特徴:
- 座面の奥行き調整、背もたれのテンション調整など、細かいカスタマイズが可能
- 素材の耐久性が高く、5〜10年使える
- リクライニング機構が充実していて、休憩時にもリラックスできる
- アフターサポート(保証期間、パーツ交換)がしっかりしている
5万円を超えるクラスになると、人間工学に基づいた設計がさらに精密になります。座った瞬間に「あ、これは違う」と感じる質の差があります。
予算に余裕があるなら、10年使う前提で計算してみてください。5万円の椅子を10年使えば、1日あたり約14円。コンビニコーヒー1杯以下。体の健康を考えたら、かなりお得な投資です。
中古・アウトレットという選択肢も: オフィス家具の中古ショップやアウトレットで、定価の半額以下で買えることもあります。「新品にこだわらない」という方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
椅子を変えたら体操もセットで
最後にとっても大事なこと。どんなに良い椅子に座っても、「同じ姿勢で座り続ける」ことによる体への負担はゼロにはなりません。
人間の体は「動くようにできている」ので、どんなに正しい姿勢でも、何時間も動かないでいると筋肉は固まります。高級ワークチェアの取扱説明書にも「1時間に1回は立ち上がって体を動かしてください」と書いてあるくらいです。
1時間に1回のプチ休憩
タイマーをセットして、1時間ごとに30秒〜1分、体を動かしましょう。
- 立ち上がって全身伸び: 両手をバンザイしてグーッと伸びる
- 腰ひねり: 椅子に座ったまま体をゆっくりねじる
- 肩甲骨回し: 両手を肩に置いて、ひじで円を描く
- 足踏み: その場で10秒足踏み
これだけで、体のこわばりがリセットされます。
アソビスイッチのカードで「座りすぎ防止」
アソビスイッチのエクササイズカードは、まさにこの「ちょっとした合間に体を動かす」ためのもの。カードを1枚引いて、その動きをサッとやるだけ。
1時間に1回、カード1枚。それだけで椅子に座る時間の負担がぐっと減りますよ。いい椅子+こまめなストレッチ。この組み合わせが最高のデスクワーク環境です。
アオイ(からだカウンセラー)のひとこと
「椅子選びって、マットレス選びと似ているんです。毎日何時間も体を預けるものだから、ちゃんと自分に合ったものを選んであげてほしい。でも、高い椅子を買えばすべて解決するわけでもなくて、座り方とこまめな体操がセットで大事。まずは今の椅子で骨盤を立てる座り方を試してみて、それでも体がつらいなら椅子のアップグレードを検討してみてくださいね。」
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。体に痛みや不調が続く場合は、医療機関を受診してください。











